<2010年2月釣行>
遠矢さち子
「取材でボウズの記事は書いてはいけない。なぜなら、読者をガッカリさせるから」と遠矢国利名人に指導を受け、現在も守っております。1月年初の「ラッキー年無し」以降は、小さなメイタや外道に悩まされ続け、ようやく出た待望の最高記録の1尾でした。この苦労の釣行記録も編集後記としてご紹介します。
…..まずは、本文をどうぞご覧ください。
デカバン探して右往左往!
いよいよノッコミ*の時期です。クロダイ釣りの道具をピカピカに磨いたり、週間天気予報とにらめっこしたりしながら、次はどこにいこうかと情報を集めていました。・・・するとタイミングよく九州の仲間からデカイ魚が釣れているとの情報が飛び込んできました。釣れたと聞けば私はどこにでもすっ飛んでいきますよ~(笑)。今年初めにトシナシを釣ってからは、九州のクロダイちゃんにはメロメロですから(笑)。(下記関連記事参照)
*ノッコミとは黒鯛の産卵時期のことを言う。鹿児島はノッコミ前の黒鯛が2月ごろから釣れ始める。
まずは、毎年デカバン(デカバン…大型の黒鯛の呼び名。)が上がるという海浜公園に駆けつけました。砂浜の中にあるヘッドランド周辺は、適度な浅瀬があっていい感じ。青のりがあまり生えてないのがちょっと気になるけど・・・。二つあるヘッドランドの河川側で試し釣りをしてみると、20センチくらいのカイズちゃんが1匹とフグちゃん多数(涙)。う~ん、微妙・・・。そこでもう一つのヘッドランドに場所移動。しかしここでもカイズちゃんばかり。なんか話が違うような気がするなぁ・・・。仕方なく他の港の情報もいろい
ろ聞いてみると・・・最近デカイ魚が釣れたのは、鹿児島湾らしい・・・しかもメジナ・・。ありゃ~?デカイ魚ってメジナのことだった?・・・ま、いいか。大きなメジナがいるってことは、大きなクロダイもいるでしょう!?(笑)と妄想をふくらませ、喜入港へ向かうことになりました。
さて、海浜公園でメイタ釣りは早めに納竿として、竿の先端が痛んでいたのを補修し、翌日に備えます。明日は頑張るぞ〜!
いざ出陣!
鹿児島湾の南西部の港へ。海には桜島が見渡せます。私が行った日は晴天で、風景をながめるだけでも気持ちがいい。長いL字型防波堤を歩き、灯台付近の一角に釣り座を構えました。長い防波堤は荷物が多いと大変!
現地で話を聞くと、「もうここのノッコミは終わったよ。釣れても小さいよ。」と、あまり良い情報がない(涙)。「せっかく来たから、ちょっとだけ遊んで帰ります。」と笑顔で返し、早速準備をすることに。
コマセはマルキューの日本海半袋とチヌパワーMP2袋、ムギコーン1袋。ツケエサにはオキアミとくわせダンゴを用意。
ふと海底をのぞくと、タコが散歩・・・(笑)。そうです、海底がよく見えるくらい潮が澄み、しかも超浅かったのです(汗)。そういえばタコ釣りのおじさんが何人も防波堤にいます。なんだかやばい感じ~。
しかしここで、補修した釣竿を家に置いてきたことが発覚!がーん!仕方なく、予備竿を使うことになりました。ハンドルが反対側だけど・・・まぁ、なんとかなるでしょう!
さて、ここは近くでタコテンヤを手前に投げているのを避けるために、思い切り遠投しないと釣りにならないかもと思い、ウキは遠矢うきSP400に同じく超遠投小のトップを装着したスペシャルチューンで挑戦!これでよく飛ばせるし、遠投でもアタリがしっかり見えます。
準備を済ませて釣り開始・・・。水深は2メートルの超浅場。底トントンで反応がなかったので、1メートルほど仕掛けを這わせてみることにしました。けれどアタリがあったと思ったら、フグばかり。予想以上にフグが多く、これではフグを釣りにきたみたいだぁ~(涙)。
浅場でドーン!!待望のデカバン!!
やがて太陽は高く上り、潮は下げてますます浅くなり、魚の反応も薄くなってきました(汗)。あ、そうだ!!ノッコミのクロダイは気まぐれだと聞いたことがあるからいろいろやってみよう!と、えさ箱の中から一番デカイオキアミ選んで針につけ大遠投してみた!ビュ~ンと仕掛けが気持よく30メートルほど飛んでいく!きゃ~っ、ストレス解消~!(笑)。あれ?でもコマセがあそこまで飛ばせるかなぁ?
うりゃ~!!・・ん?コマセが届かない(汗)。何度か投げると1塊だけうまくウキの側に飛んだ。ま、こんなもんでしょう~とパンパンと手をはたく(汗)。まだまだコマセ遠投するには下手っぴだぁ~(涙)。あまり遠投しすぎて、腕が痛くなっちゃった。腱鞘炎になっちゃうかなぁ(笑)?
・・・などと独り言を言っていたその時・・・メモリがジワ~っと1目盛半押さえ込まれた気が・・・。ん!?思い切りアワセを入れるとガッツーン!
え??根がかり?タコ?・・・次の瞬間ゴゴゴーンと凄まじい引き!リールのドラグがギリギリと回り糸が引き出される!ぎゃあぁっ!急いでレバーブレーキのロックをはずす!ゴツンゴツングィ~ッ!!糸が一気に10メートルほど引き出された!ほっ・・・間に合った!(冷汗)危うくのされるところだった!!ハンドルが逆でついつい反対で巻こうとして、アセっちゃう〜〜!
防波堤手前には石積み。これまで石積みには何度もラインを切られたから慎重にやりとりする。その後も4,5回と猛烈な締め込みがあるも、相手はなかなか浮いてこないし、寄せようとしても寄せることができない!ほとんどコントロール不可のまま、相手の向かうままに防波堤の端まで走らされた(汗)。これはもしかしてボラ?それともエイだったりして?
もうこれ以上、走られると無理!!と思ったところで、強い引きが弱まった・・・。
・・・これは運が良い!!そこで、一気に巻いて寄せてみた。
水面近くでユラッと動いた姿は・・・わっ!クロダイだ!超デカイ!!もう、これは絶対に釣りあげなくては!
しかし魚が重いので空気を吸わせるのも一苦労!タモに入れようとしても相手がデカすぎてなかなか入らない。ひゃ~!魚デカすぎ!!(汗)
クロダイを半分だけタモに入れてなんとか引きあげた!魚重すぎる~!ゼーゼーと息をきらしながら防波堤にあげて改めて眺めてみると、デカイ!しかも綺麗な魚!顔の部分がやや青みがかり、まだ縞模様がきれいに出ています。ヒレも傷まずにスタイルもいい。測ってみるとなんと57.2センチ!!!うひゃ~!やった~!(^O^)/
・・・ロクマルにはちょっと足りませんでしたが(笑)、自己記録更新です。(ちなみに前回までの記録は55センチ)
嬉し涙か、花粉症の鼻水か・・。汗と涙と鼻水まじりにデカバンと記念撮影。(笑)お化粧を直してから写せばよかったなぁ・・(汗)。
意外な場所にデカバンが・・・
こんなに潮が澄んで、水深2メートルのところにデカバンがいるとは・・・。まさかと思う場所にクロダイはいるものですね。(*^_^*)ノッコミ時期はクロダイも気まぐれな行動を起こすらしいですから、どうかな~と思ったことは全部試してみる価値ありですね!気分転換に大遠投したら、デカバンが来たなんて自分でもびっくり!
その後は、風も強くなりフグばかりとなったので納竿となりました。一日粘ってたった一枚しかクロダイは釣れなかったけど、今回は大満足。57.2センチのクロダイは海にリリースしました。今度は立派なロクマルになってまた帰ってきてね~と願いながら。
これから春本番。夢のロクマルを追い求めてこれからもがんばります!
はい、本編はここまでです。次は、この大型を釣るまでに苦労した1ヶ月半の歩みです。