【基本編・南薩摩地波止】
いよいよメジナ(関西ではグレ、九州ではクロとも呼ぶ)のシーズンです。これから初めてメジナに挑戦したい人は、まず身近な波止場で練習するといいですよ。
そこで今回は鹿児島でメジナ釣りの名手、山本勇輝さんに入門者向けに釣り方を教えていただくことにします。最近クロダイ釣りで腕をあげてきたメジナ初心者の西村隆浩さんも、山本さんに教えてもらいながらチャレンジします。
ここで山本さんをご紹介します。彼はメジナ釣りが得意で、鹿児島で有名なメジナの野間池で平均サイズを1日に60枚、甑島では毎回40枚はメジナを釣るという実力をお持ちです。遠矢グレに出会って釣果が倍増したとのことです。今回は、初心者向けに実釣を行なっていただきます。
まずは、誰もが憧れる磯場へ渡船を…!と思うでしょうが、メジナ釣りにおいて、初心者がいきなり渡船するのはハードルが高いとのこと。釣りの感覚が慣れるまでは、足場の良い地波止で練習した方が良いでしょう。
まずはコマセを作ろう
早速、メンバーは練習すべく現地に朝7時過ぎ集合ですが、あいにくの小雨。雨の合間に早速コマセづくりですが、山本さんはマルキューV9をベースにパン粉をまぜます。(オキアミは餌とりが多いときは入れません)ある程度まとまって飛ばせるようなしっとりしたコマセを作ります。
コマセのポイント!マルキューV9をベースにパン粉のみ。オキアミは餌取りを寄せてしまうので注意!
小道具を選ぶ
つけ餌となるオキアミはMサイズを使用。
針はグレ針4号を基本に、その日の状態でサイズを変えていきます。ウキは遠矢グレスペシャルSP80-18 000号を使用。000でもトップは水面に出ているので、トップ内にガン玉G5を追加して浮力をさらに押さえ、わずか1~2cm程度水面に出た状態を作ります。
「針や道糸直結以外はクロダイの仕掛けと一緒ですね!」と西村さんが驚いていました。
潮の流れが緩やかな場所での実釣でもあり、水温低下で渋いことが予想されたので、遠矢グレスペシャルSP80-18残浮力000でトップの先端が少しだけ浮いた状態で使用します。
仕掛け図
実釣開始
準備ができたところでコマセを足元へ撒き、魚の様子を見ます。やがて足元にメジナが見えてきたのですが、山本さんはそれを狙わず、10m程先へ遠投し始めました。手前に見えているメジナの回りは餌取りがたくさんいるので、遠投したほうが本命を釣りやすいのだそうです。
潮のながれはほとんどない状態。時折、潮がゆっくりと左に流れます。その瞬間、バシッと竿が空を切る音が!山本さんがアワセを入れたのです。カメラマンの私も、いったいどれがアタリだったのか全くわからなかったのですが、山本さんしっかり本命メジナをゲットです!
まずは、コマセをしばらく撒いて浮いてくるのを待とう。
タナ設定は細かく
タナは1ヒロ半~2ヒロ程度と、時間の経過とともに刻々と変わっていきます。変わる度にタナを探り当てて、釣っていく山本さん。その後も次々とメジナを釣っていきます。野間池で良型メジナを1日で60枚以上釣った実績は伊達じゃありません。
遠矢流はタナは基本的に2ヒロからスタートしよう。様子を見ながら、ウキ止め糸を上げ下げしてその日のタナを探し当てることが大事。
アタリはわずかにトップが沈む程度で、状況としてはかなり渋い状態のはず。
山本さんの仕掛け振り込みや、アタリの見方などをそばで見ながら実習を続ける西村さんでしたが、開始後1時間、彼にもようやく待望のメジナが来ました!アワセられないアタリや餌取り頻発の中での貴重な一枚!「大変勉強になりました!」と興奮しきりでした。
午後になり、大雨が降りだしたのでこの日の講習は終了となりました。
さて、基本的なメジナ釣りの方法はわかりましたか?配合餌、タナ、撒き餌を撒いて様子を見る。まずはこの3点をやってみましょう。
【応用編・西薩地磯】
数日後、西村さんが知っている地磯でチャレンジしてみることとなりました。地磯とは誰もが歩いていける磯場のことです。渡船も良いですが、まずは地磯で慣れてから渡船にチャレンジしましょう。
さて今度は地磯ですから、地波止とは違ってちょっと難しくなってきます。足場が安定しないのと、海底も根があって難しくなります。
基本は地波止と同じ
今、一番実績のある場所へ西村さんを入れ、山本さんはその対岸で竿を出してみました。コマセも前回と同じ。山本さんは竿を出さずにしばらくコマセを撒き続けています。長い時間コマセを撒いてから、「メジナが湧いてきた!」と言って姿を確認してから竿を出しました。やはり今回も足元は狙わず、10m以上先を狙って遠投しています。潮は右に行く潮でしたが、あまり動きはよくないようです。
西村さんの場所は流れがあり、メジナも見えている様子です。
一方、山本さんはアタリがあってもノラないので、針のサイズを変えたり、餌の付け方を工夫したりしています。そうして開始後2時間、ようやく山本さんにメジナ、良型35cmゲットです。
タナは、1ヒロと少し。やや浅いタナです。
基本は同じ。まずは、コマセを撒いてメジナが湧いてくるのを待とう。
最初の1枚目は時間がかかりましたが、その後は、山本さんのメジナ入れ食い状態が始まりました!次々と魔法のように海からメジナを抜きあげる山本さん。
コマセワークで変わる!
対岸で見ていた西村さんはまだ釣れていないので焦っている様子。そこで山本さんがコマセワーク、アタリの取り方をアドバイス。良型メジナがオキアミを食う時間をカウントしてコマセをタイミングよく撒くという極意を伝授。(これ、高度な技です。初心者は、コマセを前打ち&後打ちをして仕掛けを投げるように工夫しましょう。)すると、西村さんにもメジナが釣れ始めました!
メジナはコマセワークとコマセの撒くタイミングと超速アワセが秘訣。
途中アタリが止まることがありましたが、36cmを筆頭に夕方までに山本さん17枚、西村さん11枚という結果になりました。身近な地磯でこれほど釣れるとすごいですね。
これからメジナはますますシーズンたけなわ!楽しみですね!
後日・もう一度釣りをしたら…
後日、同じ場所でメジナを狙った西村さんの釣果。この日のレッスンのお陰でたくさん良型が釣れるようになりました!
なんと18枚!!!初心者でしかも渡船をしないで身近な地磯でこの枚数は上出来でしょう!ぜひ、まずは身近な場所でチャレンジしてみてください。遠矢グレならば、しっかりアタリを出してくれますよ。
さて、次回は初心者が実際に渡船してメジナ釣りに挑戦してみます。その様子をリポートします。乞うご期待!