磯専・得意技は止め&誘い釣り宙層ダンゴ釣法

遠矢国利

サラシやカケアガリを攻める磯のクロダイ釣り専用ウキ

全国規模で一年中黒鯛を狙って釣り歩く私にとって、従来の細長い遠矢ウキ0号タイプや超遠投-小といったウキは欠かせない(1999年11月執筆当時)。

このウキは適応範囲が広く、全国どの釣り場へ行っても活躍してくれるからだ。乗っ込み時期は宙から底、または表層を狙うことがあり、そんな時も0号で誘い釣りや止め釣りを行ってきた。しかし、よりシビアな誘いや止め釣りを展開する場合、従来タイプでは少し無理があることも否めない事実である。

サラシの切れ目でウキを止めて待ったり、潮目で止めたり、流れる仕掛けを引き戻して再び流すような釣りになると、従来タイプはどうしても復原力に乏しい分だけやりにくく、ついついそのまま流し釣りへ移行してしまうことが多かった。


竿下やすぐ近くにカケアガリがあって、そこを攻めれば釣れることが分かっていても、ついつい遠投を決め込む。それで釣れることもあるが、磯の場合には、①カケ上がりを狙う、②潮目で止める、③サラシの切れ目を繰り返し流す…という3つの釣法が威力を発揮しやすい。

ミチイトを切らずに交換可能 適応範囲の広いウキを目指す

従来タイプの遠矢うきでこれらの釣法を完全にカバーできれば天下無敵だが…そんなことを思いながら7年ほど、磯に向いたウキを作っては試釣を繰り返してきた。その結論が、遠矢うきの磯専-大・中・小となった。


もちろん円錐ウキも持ち歩いたし、各地の名手たちの自作のウキも持ち歩いていたが、わずかにトップを押さえ込むような微妙なアタリはわからない。ウキが海中を走り始めるアタリを待っていたのでは、それまでの半分も釣れないだろうという先入観があり、ついつい使い慣れたウキを使ってしまう。

夏から秋という活性の高い時期でも、トップをジワッと押さえるあたりで合わせないとツケエサがなくなるパターンが多かった。これは魚影の濃いことで知られる大分県でのことだから、関東以北の釣り場なら余計にそんな現象が予想できる。
状況に応じて円錐ウキと立ちウキを使い分ければ問題ないが、いったいそんな使い分けをするマメな釣り人が何人いるだろうか。私自身はまるで違うタイプのウキを使い分けることなどできないし、やはり最初にセットしたウキをとことん使ってみたくなる。
では、ミチイトを切らずにワンタッチで交換できればどうか。要するに立ちうきの原理と特性とをセットスタイルを残しながら、誘い釣りや止め釣りに向いたウキがあれば、途中で仕掛けを切り替えることは容易いはずだ。これが発想の原点となった。
これなら、カン付きのまま、形状を磯用に変えたウキを作れば良いわけだ。これならフカセから止め釣りや誘い釣りまで、ダンゴ釣法からダンゴをウキに乗せながら流す宙層ダンゴ釣法まで、あらゆる釣り方に対応できるに違いないと思った。

そんなウキを作ることにしよう、というところから再度磯用ウキにチャレンジしたのである。

夏から秋という活性の高い時期でも、トップをジワッと押さえるアタリで合わせないとツケエサがなくなるパターンが多かった。

トップ外せばカン付き円錐ウキ

感度と復元力は相反する特性である。最初は感度を重視しながら復元力を持たせようと、最太部(もっとも径の太い部分)をあれこれ試し、上部を太くすることによって、ようやく特性を得られた。

素材は従来タイプと同じバルサ材で、浮力にばらつきが少ないというのもメリットである。

最初はトップもなかった。やや細長い円錐ウキのカン付きタイプに近いものだった。しかし、場合によってはやはりトップが欠かせない。そこで、簡単に取り外し可能なトップを付けることになった。

もちろん、トップを取り外した状態で使っても見やすいようにヘッドは蛍光色で塗装してあるため、カン付き円錐ウキとして使うことも可能だし、トップの代わりにケミホタルやデンケミ37などを取り付けることもでき、夜釣りや朝夕のマズメ時もカバーできるプラスアルファが生じた。

磯専の高感度タイプ。浮力は5B前後に設定

磯専を1日中使う時は図のような絡み防止用ヨリイトを使うといい。投入方法によってカバーできるトラブルだが、従来タイプのウキに使ってもけっこう役立つ。

ゴムクッションなどを使ってもいいが、あまり細いものは伸びすぎてハリ掛かりしにくくなることもある。磯専のオモリ負荷は約5Bになるように、製作段階で内蔵オモリを埋め込んであるが、フィールド条件によってウキの残存浮力が変わってくるのはどのウキも同じ。

サラシ場や流れの中でアタリを取るなら5Bより軽めのオモリを、トップを残してウキをギリギリに沈めたい時はやや重めのオモリを付けたほうがいい。自分が得意とするフィールドでの使用オモリが決まったら、ウキに書いておくと便利だ。

ウキ止めなしや落とし込み釣り、宙層ダンゴ釣法のテクニック

ここまで説明すれば、あとは皆さんの使いこなし次第であるが、ちょっとだけ説明を加えておくことにしよう。

ウキ止めなしの時は、竿先から針先までを一直線にすることができる。遠矢スベイルを使うと遊動がスムーズになるため仕掛けの立ちが早く、ウキ自体はサラシに強い。ウキをサラシの切れ目に止めてタナを探れば、一気に竿先にあたりを感じることも可能である。
また、潮の流れの速いところでタナを早めにキープしてポイントへ送り込むことも可能だ。ウキでアタリを取りたい時は、糸フケ出すと消しこむ。

誘いながら黒鯛にツケエサをアピールしたい時は、水深よりも長い位置に浮き止めをセットしておき、海面から海底までゆっくり落とし込むこともできる。遊動がスムーズなので、竿先でゆっくりブレーキをかけながら落とし込むテクニックは必要だが、オモリなしでも自立するのが特徴だから、ポイントを外すことはない。

最近、私が最も得意としている釣法の一つに「チヌパワー食わせダンゴ」を使った宙層ダンゴ釣法がある。これは、エサ取りからツケエサを守り、バラけながら黒鯛の食いを誘うという釣法だ。

円錐ウキでもできないことはないが、モゾモゾというダンゴをつつくアタリは読み取れなかった。磯専ならトップが海面に出ているため、ダンゴのバラけ具合も目で確認することができる。ダンゴの比重が4B程度だから、5Bのオモリを背負える磯専なら、宙にダンゴを止めながら、コマセの筋を狙い撃ちすることが可能なのだ。

普通はダンゴがバラケ切る寸前にウキが消し込まれるようなアタリが多いが、ほんの1cmトップを抑え込むようなアタリも多い。状況によって海面に出るトップの長さを調整した方がよく釣れる。エサ取り軍団に悩まされることの多い時期には、ぜひ一度お試しいただきたい釣法である。

(この文章は、1999年11月「クロダイ釣り(つりmagazine2000年実用ガイド・現在は廃版)」遠矢国利執筆文より。)


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