”常識の逆行く”下ぶくれ”の元祖・遠矢うき

今、下膨れ形状の棒ウキが大流行

昨今、下膨れ形状の棒ウキが多く市場に出されてくるようになりました。

下膨れの元祖たる遠矢ウキとしては、さまざまなウキが切磋琢磨して売り出されることはとても喜ばしいことですが、

遠矢ウキとそっくりなウキが(コピー商品、類似商品)が出回っております。

色形は自由なのに、何もわざわざ似せて作らなくとも…と疑うようなものもあります。

色もレモン以外にオレンジや赤、イエローなど、いろいろ選べるのにわざわざ遠矢ウキを同じ配色パターンを用いるのは不思議なことです。

過去の膨大な釣雑誌を開いてみると、歴史的にも下膨れの元祖は遠矢ウキであることは間違いありません。

では、類似品を出しているメーカーが、一体どれだけ下膨れ形状のウキを市場に出しているのか気になりますよね。

そこで、調査してみた結果が以下の通りです。

下膨れ形状の棒ウキ・販売状況

<2022年某大手A社カタログ>

円錐ウキ894種

棒ウキ199種(自立は55種で棒ウキ全体の2.7%)

(※ウキの色違い、浮力ごとに集計しました。)

棒ウキのうち、下膨れ形状29個

不明(円錐ウキとも棒ウキとも言えない形状のウキ…風船状や菱形、羽付ウキのようなものなど)12個

ウキ総数1105個

全販売ウキの種類のうち、

下膨れ形状の棒ウキの割合2.6%

全棒ウキのうち、下膨れ形状かつ自立ウキは25種で販売ウキ全体の2.26%、棒ウキの中でも実に12.5%に過ぎません。

<2023年某B社HP>

円錐ウキ191個

棒ウキ58個

棒ウキのうち、下膨れ形状58個

全販売ウキの種類のうち、

下膨れ形状の棒ウキの割合23.2%

ここでは、遠矢ウキに非常によく似たもの(そっくり)が販売されています。

それで、この数字です。どちらかと言えば、円錐ウキの会社じゃないでしょうか。

さて、遠矢ウキの製造をしている弊社の状況を見てみましょう。

<2023有限会社トオヤHP>

円錐ウキ3個(紀州釣り用環付き玉うき)

棒ウキ175個

棒ウキのうち、下膨れ形状161個

ウキ総数178個

有限会社トオヤの全販売ウキの種類のうち、

下膨れ形状の棒ウキの割合93.2%

全棒ウキのうち、下膨れ形状かつ自立ウキの種類は166個で販売ウキ全体の93.2%!

さて、いかがでしょうか?

このように、大手メーカーですら下膨れ(非自立も含む)の棒ウキは29種、下膨れ形状の類似品を出している会社でも58種しかありません。

遠矢ウキでは下膨れ棒ウキはなんと166種類も出しています。

読売新聞平成8年6月9日発行に特集が組まれたときにこう書かれています。

「〜常識の逆行く”下ぶくれ”〜いまでは遠矢うきは年間生産数十三万本という全国ブランドに。遠矢流という浮き釣り技法の名も生まれた。」

そうです、下膨れ形状の棒ウキのパイオニアは、間違いなく遠矢ウキなのです。

それではなぜ、下膨れ形状の棒ウキが割合的に少ないのでしょうか。

それはまた次回にご説明したいと思います。

読売新聞平成8年6月9日発行”技あり!遠矢うき 常識の逆行く”下ぶくれ”