<2019年3月釣行記事>
野間池のメジナ(クロ)がシーズンを迎えている。今年(取材当時は2019年)は暖冬の影響で水温も高く好調だった。
取材当日は低気圧と前線の影響で、午後から雨と強風の予報が入ったので、午前中勝負の釣りとなりそうだった。前回、野間池で100枚も釣った3人が今回も野間池に挑戦する。
野間池は土日はじゃんけんで瀬を決めたり、週替わりで担当の瀬が変わるので、行きたい瀬には入れないことも多い。しかし、今回はまずまずの条件の瀬に入ることができた。
瀬に到着すると、干潮で平場が出現していたものの、とにかく足場が悪く、移動に苦労する。
予想外の足場の悪さに、3人が釣り座を決めるまでにかなり時間がかかった。一番高い釣り座についたのは西村さん。船がつくすぐそばに構えたのは山本さん。釣り座が決まったところで、全員がそれぞれ準備を開始した。
コマセ配合と仕掛けの小物は以下のとおり。
遠矢さんは、最初は高い釣り座で釣りを始めたが、どうやらタモが届かないので低い場所へ移動した。釣り座を選び直すのに時間がかかり、再び開始したのは午前9時ごろ。瀬について2時間は経過してしまった。
メジナの場合は、遠矢流におけるタナは2ヒロからスタートする。そこを基準として上下を探っていくのだ。
ようやく、全員が揃って竿を出したと安堵する間も無く、「あれれアタリがない?」と山本さんが首を傾げる。
ここは下げ潮本命で右方向へ動く潮が良いそうだが、午前中は上げ潮、しかも潮が逆方向(逆潮)であるうえ、流れもほとんどない。風裏のおかげで波も押さえられているというのに、潮が動かなければお話にならない。
そこへ、一番外洋側にいた西村さんが1枚メジナを釣った!
山本さんもコマセを撒きつつ、ポイントを探っている。やがて満潮を迎えた。しかし、潮が右へ動き出すはずが、動いても左へいくばかり。逆潮が続いて苦戦している。
山本さん、とうとう業を煮やしてすぐ左側へ場所移動し、今度は島と島の間を狙い始めた。すると、狙い通りの沖目のポイントにアタリがあり、良型のメジナをゲット!
よし、これでパターンを掴めたかと思いきや、またまた潮が止まる。アタリも止まる。今日はかなりの食い渋り。
今回、大遠投でアタリ。メジナと言っても遠投が必要なこともあります。SP80-18は遠投しても良く見えます。
それからは相変わらず潮はビタ一文もかず、アタリもない。これは潮だけではなさそうだ、水温が急低下したのかもしれない。
アタリのない時間が長く続いた。それでも粘りの一手、潮が正常な方向にわずかに動いた瞬間に、山本さんがもう1枚メジナをゲット。
潮の動きとコマセワーク、そして魚の状態を見極めて行かないと今日はかなり難しい。
渋いアタリだが、それを丹念に拾っていきポツポツと釣りあげる3人。沖合いではメジナのナブラが立っている。
もしかすると産卵が近いのかもしれない。
遠矢さんも、潮が流れた一瞬にメジナをかけた!これで三人、全員がメジナを釣ることができたが、依然として正常な潮の流れがなく、渋い状態が続く。
だんだんと風が強くなり、竿が振りにくくなってきた。向かい風ではこれ以上はできず、残念ながら今回は早めの納竿となった。
しかしながら、逆潮(潮の流れが逆)でアタリがない中で、一瞬の正常な潮の流れるタイミングを見計らい、全員が35-40cm級の良型メジナを手堅く釣った。釣り座を決めるのに手こずり、実際の実釣時間は約3時間ほどであった中ではまずまずだろう。
この日、他の瀬ではまったく魚が出なかったようだ。
今後は産卵後〜梅雨時期のメジナにも期待したい。(取材・遠矢流編集部)
水温が上がってきたのか大型ヘダイも混じる。
渋い時に見直したいポイントは、餌の付け方、針のサイズダウン、タナ、コマセワーク、が重要。難しいときほど、わずかな魚信を捉えるウキの感度が問われます。そしてまた釣りの勉強になるものです。