遠矢さち子
暑くなれば深くなる!?
梅雨明けと同時に猛暑日が続きました。いきなり暑くなるものだから、庭の植物達もダラリンコ~と元気がありません。ましてや人間もこれにはダウンです。昨年はクーラーの効いた部屋でずっといたので、いざ外で釣りをするときには身体が暑さに慣れていなくて、危うく熱中症になりかけました。
危ない、危ない!今年はなるべく外に出て外気温に徐々に身体を慣らしていたお陰で、釣り場でも比較的楽に過ごせました。とはいえ、猛暑日が予想されているこの夏ですから、無理は禁物。車のそばから離れないで釣りができるところを選ぶようにしています。そんな中で夏のおススメ釣り場なのが山川港です。
新港、旧港、どちらも良い場所で、私はその日の風向きで選んでいます。いつもハイビスカスの花が咲く季節に来ていますので、今年もそろそろではないでしょうか。そこで、風向きの良い日に旧港へ来てみました。

ここは水深が深く、防波堤の先端付近は約30mもあります。え、なぜ知っているかというと以前実際に測ってみたからです。地元の人から「だいたい30~40mあるよ。」とは聞いていたのですが、実際にゴム管付オモリで測ってみるとそれが海底に着くまでに3分くらいかかったでしょうか。あまりに深すぎて竿の長さで測れないため、リールの回転数に巻き取り幅を掛けて計算しました。しかしいくら何でも水深30m(竿約6本)はちょっと攻めにくい…。そこで、岸側の浅いところに釣り座を構えることにしています。暑くなれば黒鯛は深いところにいるかも!?早速探ってみましょう。
崖っぷちで攻める!?
さて、現地に行ってみると…ガーン!岸側には船が停泊していました。困ったな~。そこで、その船長に了解を得て、船のすぐ横(沖側)で竿を出させてもらいました。船長さんありがとうございます。
準備を開始します。コマセはマルキュー日本海半袋、おからダンゴ半袋、MP1袋、チヌパワー小袋1袋、ムギコーン1袋に海水を約5~6L入れて良く練り、最後に激荒生サナギ1袋と生オキアミ約700g入れて軽く混ぜます。つけ餌にはコマセに入れた生オキアミの残りと、くわせダンゴ。準備ができたら、コマセを丸く野球ボールの大きさに握って、自分のポイントへ3個投げ込んでから仕掛けを作ります。

今回想定しているのは水深が約5~10mなのでウキは超遠投-小0.8号を使います。しかし、水深を測ってみると、私の位置から右側で竿2本程度、左側は…え!?竿3本?なんと深いのでしょう。わずか1mほどしか離れていないのに、約5mも水深差があるなんて!どうやら、海底が崖のような絶壁になっているような感じです。これは、どこを攻めるべきか…?考えた末に、浅い側の水深を基準のタナ(底からトントン)とし、深い側は中層に餌が浮く感じのイメージの中層釣りです。深さからするとウキは超遠投-小1号を使いたいところですが、とりあえず0.8号でやってみます。さて、どうなることやら。

いきなり50cm超がヒット!
この日は大潮で朝7時半満潮でした。釣り始めたときはすでに下げ始めている状態でしたが、まだ港内は潮があふれんばかりで、あと10cm潮が高いと水没してしまいそうな感じです。海の中をのぞくと、キンギョ(ネンブツダイ)や豆フグが活発に泳いでいます。防波堤の角ではアジ釣りの人たちで賑わっています。オキアミだけでは持たないと判断したので、最初からくわせダンゴでオキアミを包んで投げてみました。
さて、1投目。ダンゴが仕掛けに乗るや否や、ウキがスーッと消えました。え!?いきなりのアタリに慌ててアワセましたが、針がかりしませんでした。相手は何者でしょう。引き続きくわせダンゴを投入していきます。やはり中層で何かがダンゴにアタックしてきます。海底が絶壁なのであまりタナは動かしたくないのですが、それでもほんの少し、5cmばかり深くしてみました。そしてダンゴも少し小さ目に握ってみます。
ちょうど、冷たいコーヒーでも飲もうと一口♪いただきま~す…と飲んだとき、ウキがゆっくり海に入っていきました。うわ~!慌ててアワセると、最初はメイタ(黒鯛の幼魚)クラスの引きだったのが、急に重くなりました。右側には船があるので、右に竿を倒して左へ誘導したかったのですが、うまくいかないので、竿を曲げたまま自分が左へ移動。リールのゴリ巻きでなんとか上げた魚は、大きな黒鯛!50.5cm!くわせダンゴの一撃でした!それにしても、いきなりトシナシ黒鯛で驚きました。これは魔法のコーヒーのお陰かも!?



連続で大型黒鯛の快進撃!
1尾釣れたので、攻略法がイメージできました。流れは深い方から浅い側へ流れていくので、中層を漂っていたダンゴが「崖」の頂点にたどりついたアタリで黒鯛が待っている感じ。しかも、タナは崖の上で底トントンよりちょいハワセるというなんとも微妙なところでヒットしているようなのです。
ポイントが狭いので、無駄な流しはせずにひたすら同じところを攻めていきます。時刻はまだ午前9時半過ぎ。またまたアタリ!くわせダンゴの威力炸裂です!しかし、今度は船の下に潜られて痛恨のラインブレイク。うっかり、右に走らせてしまいました。やはり左沖へ走らさないと取り込めませんね。
バラシた後は、フグやベラが釣れましたが、それもすぐにいなくなり、ダンゴを一気にくわえるアタリが!それでもなんとか2枚目黒鯛ゲット! 51cm!



何と連続で50cm超を釣ってしまいまいした。今日はヤバすぎます。
またまたくわせダンゴで黒鯛49cm(惜しい!)を釣ったあと、今度は黒鯛51cm!ついにトシナシ3枚目を達成!ほんとうに、今日は調子に乗っていますね♪


その後、潮が動くたびに黒鯛が釣れ、いずれも48cm、47cmと大型が続きました。



大潮なので潮が引くのも早いのですが、こまめにタナを直していったのが連続ヒットの要因だったかも。午後1時過ぎ、まだアタリはあったのですが、あまりの暑さにここで納め竿となりました。午前中だけで黒鯛8枚、そのうち3枚は50cm超、そして大型ヘダイ1枚は十分な釣果です。暑くなればなるほど、深場にも大型黒鯛が入ってきます。これからも楽しみな釣り場です。

後日談
この2.3日後に遠矢国利名人の取材がありました。(爆釣!真夏のチヌ釣り2)
私が釣った時よりも、状況が悪くなっており、型が小さくなっていました。
かなり渋かったのですが、それでもしっかり釣果を出せるのはさすが名人だと思いました。
バラシがなければ35枚は釣れていたと思います。(私は8枚でした。)
BS日テレ夢釣行の取材時も、思いがけず私が大型を釣ってしまいました。(7月放送済)
もともと、この場所は私がよく釣るので「レディースポイント」と呼ばれるようになってしまいました。
道の駅もすぐそばにあるので、お手洗いも近く、女性にはもってこいの場所ですよ〜。
