最近の記事

遠矢国利名人の何がすごい?

釣りの常識を根本から変えた偉大なる釣り師

「遠矢国利って昔の釣り名人でしょ!?」

そういう言葉を耳にしてびっくりしました。昔の名人って….いやいや、知らない人はそういう発言になるんですよね。ただの釣りが上手い人ではありませんよ。遠矢国利名人がいなければ、現在の配合餌による海釣り文化そのものが無かったのですから。

それでは、遠矢国利名人の偉業を簡単に解説しましょう。

  • 配合餌を全国へ広めた立役者
  • 各種ウキ釣り小道具も遠矢国利名人から
  • 遠矢うき誕生!
  • クロダイ釣りを全国的に流行させた
  • ポイント長方は遠矢国利名人が最初
  • 唯一無二のウキ
  • 遠矢釣法が強い理由

配合餌を全国へ広めた立役者

昔は釣りといえば、イワシミンチなど魚肉を細かくしたものを撒き餌とし、付餌はイワシの切り身を使っていました。その後、撒き餌として赤土と大チヌ(マルキューの魚粉)を混ぜたものが登場。その頃、遠矢国利名人がマルキュー社と配合餌のチヌパワーを開発しました。発売する前に、この配合餌がどこでも通用するのかどうか調べるため全国を釣り歩いた結果、これは凄い餌だと確信を得た名人。その報告を受けたマルキュー社も大々的に宣伝をするようになりました。

ちょうどこの時期に販売され始めた「オキアミ」を利用し、それを配合餌と海水で混ぜた「撒き餌(コマセ)」を使った釣りを紹介、このコマセによるフカセ釣りを全国へ広めた立役者が遠矢国利名人なのです。全国各地でメジナやクロダイの釣りを実践し、当時としては革新的な独自の理論である「遠矢釣法」によって、クロダイ釣りの一大ブームを巻き起こします。

釣りの世界でも流行があり、その時々の時代の釣り方がもてはやされては次々と消えていく中、遠矢釣法は45年経った現在でも色褪せることなく、「クロダイ釣りの王道」として圧倒的な支持を得ています。

もし遠矢国利名人がいなければ、配合餌でのウキフカセ釣りはまだ知られていないかもしれない。まだ魚肉や魚粉で釣りをしていたかもしれない。そしてクロダイ釣りもここまでメジャーな釣りではなかったかもしれない。それほどの偉業を成し遂げたのです。

遠矢釣法とともに全国に広まった配合餌
(1990年発行つりmagazine 「クロダイ釣り最新!遠矢釣法のすべて」より)

ウキ釣りの小道具も遠矢国利名人から

遠矢ウキも開発当初から現在に至るまで、その基本形状は変わらず今も同じ製法で製造されています。トップと本体との間にゴム管を入れて衝撃を吸収し、折れないようにするシステムを作ったのは遠矢うきが元祖です。また、ゴム管でトップ着脱式にしたのも遠矢ウキが元祖なのです。そのお陰で多彩なトップを装着できるようになりました。ウキが絡まないように道糸にゴム管を刺す方法も遠矢国利名人が初めて考案しました。トップをボディに固定するゴム管を爪楊枝に刺して利用したのが始まりです。今ではウキフカセ釣りをされる方は必ずお使いの小物です。そのゴム管とは、現在も弊社で販売中のゴムハカマ大(遠矢型ゴムハカマ)です。今では各メーカーでも作るようになりました。

遠矢うき誕生!

遠矢国利名人がヘラ釣り、ハゼ釣り、サヨリ釣り、ボラ釣り、メジナ釣りを経てクロダイ釣りへ。その過程で生まれたウキが「遠矢うき」として世に出ました。焚き火をしてる最中に閃いたアイデアで、一本の木を削って完成しました。ヘラウキをヒントとして作られた棒ウキですが、ヘラウキと違うところは自立型のオモリが内蔵された事と、上部浮力型の形状を下部浮力型へ変更した事(いわゆる下膨れタイプの形状)。ここが遠矢うきの独自性のある形状の部分で、各種特許登録や意匠登録もされました。

オモリを道糸につけなくても自立することから当時は「立ちウキ」と称されました。元祖「立ちウキ」は紛れもなく遠矢うきなのです。当時は玉ウキ、アタミウキが全盛の頃。関東各地で爆釣、昭和50年(1975年)の12月5日のスポーツ新聞で「南房千倉の釣りを一変させた奇跡のウキ」と紹介され、遠矢ウキは脚光を浴びることになるのです。まだ当時は、「メジナヘラウキ」と呼んでいましたが、昭和51年(1991年)に雑誌「つりマガジン」のグラビアで正式に「遠矢ウキ」と命名され、広く一般に知られるところとなりました。

クロダイ釣りを全国的に流行させた

その後、昭和60年(1985年)に発行された遠矢国利名人著「釣りはウキで決まる(ゴマ書房)」が大ヒット、直後の昭和61年(1986年)に出版の「クロダイ(チヌ)釣り(西東社)」が大ベストセラーになり、遠矢ウキの認知度が決定的となります。約30年間もの間、増版され続けました。いまだにこの書籍はプレミア本としてクロダイ釣りのバイブルです。当時制作されたマルキュー社の遠矢国利名人の動画も広まり、クロダイ釣りは全国各地で大流行することとなります。

その当時の遠矢釣法は現在も色あせることはなく、クロダイ釣りの王道として君臨しています。

遠矢国利名人の書籍 釣りはウキで決まる ゴマ書房(1985年初版)が大ヒット。この頃から遠矢釣法の理論は全く変わっていない。

ポイント釣法は遠矢国利名人が最初

最近、メジャーになってきたポイント釣法は、1970年に遠矢ウキが誕生した当初から遠矢流釣法の真髄となる部分です。「魚は回遊するから、今、釣れている場所へどんどん移動する」のではなく、「コマセ(撒き餌)を海底に沈めた場所をポイントにしてクロダイを寄せる。」という理論に基づくもの。マルキュー「チヌパワー」と「オカラだんご」(どちらも現在も発売されている)によって作った団子を3個ほど、海に投げた場所をポイントとする釣りです。遠矢国利名人が全国行脚して広めた「チヌパワー」と「オカラだんご」は、今ではクロダイ釣り必須の配合餌となりました。ポイント釣法の本家、遠矢流クロダイ釣法は動画でもたくさん出されていますので、ぜひご覧ください。

「つりmagazine クロダイ釣り 最新遠矢釣法のすべて(1990年発行)」より

唯一無二のウキ

いくら遠矢ウキを形だけ真似しても遠矢ウキと同じものはできません。なぜなら1本1本が100%手作りでオーダーメイドのような製造となっているからです。素材は天然のものですからバラツキがあります。しかしそれを素材の個性と捉え、最もふさわしいウキへと形状と役割を与えていく。その素材の見極めと判断、そしてそれを形にしていく工程が非常に難易度が高く、簡単にはマネできないのです。決して工場での大量生産品には向かないため、現在も熟練して職人の手によって製造しています。ですから、遠矢ウキは現地で使ってみればわかります。その性能に感動さえ覚えるウキなのです。これが遠矢ウキが「唯一無二のウキ」と称される所以でもあります。

遠矢釣法が強い理由

なぜ、遠矢釣法が半世紀近く経っても多くの人に支持されているのか。それは難しいと言われるクロダイ釣りを、シンプルな理論で誰でも簡単に釣れるようにしたからです。数多くの釣り関連書籍の中で、遠矢国利の書籍が常にベストセラーなのは(釣り業界で歴代1位の売り上げを記録。この記録は今だに抜かれていない。)書籍に書かれている通りに実行すればクロダイが釣れるという点です。残念なことに各種雑誌の記事の中には、肝心な釣りのコツを隠したり、嘘の記事を書くものがあり、その通りに真似しても釣れるとは限らないのです。その点、クロダイ釣りの真髄をすべて包み隠さず教えるというだけでもスゴイ事なののです。

遠矢流釣法における格言があります。「釣って半人前、釣らせて一人前」。これは、大きな魚を釣ることはただの釣り師自慢、仲間にも同じ様に釣らせることができてようやく釣り師として一人前だということなのです。

誰にでも遠矢釣法を惜しみなく教え、全国にクロダイ釣りファンを作り、釣り業界へ多大なる貢献をした名人。彼がいなければ、現在の配合餌による「ウキフカセ釣り文化」は生まれなかったと言えるのです。

若き日の遠矢国利名人「クロダイ釣り最新!遠矢釣法のすべて」より

関連記事一覧

最近の記事一覧